Bike

「天空のストラーダ」に登場するバイク解説
By OSABOW

NO.03
YAMAHA RD400

純粋なレーサーレプリカはヤマハ2ストバイクが元祖だ

レーサーレプリカという言葉が台頭したのは1980年代だが、じつはそれ以前の市販バイクもざっくり言うならレーサーレプリカのようなものだった。とくにヤマハの2スト勢はその代表的存在。AX125はレーサーTA125、DX250はレーサーTD2、そしてRX350はレーサーTD3。このような濃密な関係を保ってRDシリーズに進化を遂げ、最終的には水冷RZシリーズでその幕を下ろした。

ぼくもTA125、TZ250 でレースの楽しさを覚えたひとりだった。それはさておき、天空のストラーダで登場するプレスの女傑、川島亜美の愛車がUSヤマハカラーのRD400。ミッションを2速に入れて跨がったまま、両足でバイクを前進させながらクラッチミート。エンジンはこんな怠慢なやり方でもかかってくれた。キックスタートも軽く始動性は抜群だ。排気音も2ストらしく歯切れがよく個人的に忘れられないサウンドだ。

6速クロスミッションは、1速がややローギア比で2速発進したくなるほどかったるかった。しかし、3速から5速のギア比は絶妙でクロスミッションのパフォーマンスを十分に楽しめた。とくにワインディングではパワーバンドを有効に使えたので自然と走行ペースは速くなった。シフトチェンジをしてもタコメーターの針が同じ回転域で安定する姿はとてもレーシーで、その動きを見ているだけで楽しめた。

同クラスの4スト勢より車重(乾燥重量155kg)も軽く街中でも取り回しはよかった。意外と忘れがちだが、取り回しのよいバイクは日常使用で助かる。とくにプレスのようなバイトを経験すると、バイクの車重というのが走安性に影響するだけではなく、いろいろと勉強させられた。安全面でも効果があるということは、バイク乗りなら言わずともわかるはずだ。

2ストにしてはトルクも実計測データをみるよりフラットに感じ、低速域でもかぶらず、2ストらしい独特の滑らかさもあった。この点がカワサキ系2ストと味付けが大きく異なる点だ。疲労が少なく、4ストに劣らない長距離を走るのも苦ではなかった。

特筆できるのはストッピングパワー。フロントシングルディングのキャリパーは対抗ピストンタイプ。操作を間違えればフロントが簡単にロックした。しかし、この味(ブレーキ)を知ってしまうと、ほかのブレーキがプアーに感じ不安だった。言うなればRDでブレーキングを学んだと今でも思っている。

  • YAMAHA RD400

    転載:ヤマハ広報資料

  • YAMAHA RD400

    転載:カヤマハ広報資料

難点はライディングポジションとバンク角

エンジンの耐久性と整備性は非常によかった。2ストのアキレス腱、マフラーからのオイル垂れはRD400も同様で整備は欠かせなかった。これを怠ると排気音がこもりだし燃費が急に悪くなる。確か燃費は都内でリッター当たり18km前後だったと思う。エンジン、ブレーキ、そしてフレームも適度にたわんでよかったが、前後サスペンションの性能はけっして良いとは言えなかった。とくにフロントサスはブレーキの制動力に対してプアーだ。すぐにボトムする傾向にあった。コーナリングも同様で沈み込み(ボトム)が早く、バイク自体の姿勢変化には気を配る必要があった。そのためリアブレーキを多用しながらバイクの姿勢を調整することを覚えた。これも今にして思えば、とてもよい学習材料だったと言える。

結局、オイルの粘度調整を数回試みたが根本的な問題は解消せず、バイクを知っているような生意気な顔つきでひとり悩んだ。

リアのストローク不足も同様でこれも他社のパーツに交換した。結局フロントとの相性が悪くノーマルに戻した。一番の問題はそのライディングポジション。見た目は精悍なスタイリングだが、実際に乗ってみるとタンクとシート、ステップ位置、ハンドル形状がぼくにはアンバランスで、どうにも気にくわなかった。ステップが進行方向に配置され、ここに足を置くと「お殿様」のような腹を突き出した姿勢になる。シートとタンクの高さが比較的フラットなので、太ももでタンクを押さえにくい。シートは「あんこ(・・・)抜き」を強いられ低くした。ハンドルもノーマルだと殿様乗りを強制するような高さ。コンチハンドルに交換するしかなかった。

それより一番の問題はバンク角が浅いこと。これは大問題というより、身の危険を感じたのでバックステップに交換した。この点も含め、エンジンは素晴らしいがレーサーレプリカらしくない点も随所にみられた。いずれにしても2ストバイクの楽しさ、速さを教えてくれたのがRDだと感謝している。 2ストレーサーレプリカと言えば、その筆頭に「RZ」を上げるバイク乗りは大勢いると思うが、それに逆らって「RDだろ、やっぱり」という輩は、ぼくも含め数人かもしれない……。

<YAMAHA RD400主要諸元>

エンジン型式:2ストローク空冷並列2気筒

排気量:398cc

最高出力:38PS/7000rpm

最大トルク:3.9kgf-m/6500rpm

エンジン始動方式:キックスターター

ミッション:6速リターン

タンク容量:16.5L 発売年/当時発売価格:1978年 / 31万円

プロフィール

OSABOW(オサボウ)

東京・世田谷生まれ。幼少期から父親の影響でバイクとクルマに興味をもつ。月刊ベストバイク、月刊ライダースクラブ、月刊クラブマン等のバイク雑誌編集長を経験。バイク雑誌に限らずゴルフ雑誌など数多くの男性誌編集長を歴任。その創作活動は広範囲に及び広告制作・宣伝プロモーションも手掛ける。現在、執筆と企画制作プロデューサーとして活躍中。

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